2012年11月28日水曜日

小池式

 今朝は今年一番の冷え込みだそうで、朝の最低気温は5度、都心でも15時現在の気温は7度程度。なんか今年の冬は寒そうです。おひさしぶりです、こんにちは!はる@です。先週は急に気温が下がったこともあり、風邪をひいてしまって、寝たり起きたりの半病人生活でした。やっと、一昨日から自転車も水泳も復帰。都内も紅葉真っ盛りで、走っていても楽しいです。でも、さすがに気温が十度切ると、出かけるのが億劫になってくる。そんな時の屋内活動として、そういえば、この秋からアコースティックギターの練習を始めたのです。とりあえずアメリカのオベーションというメーカーのギターを買って毎日練習中。

 中学一年の頃から、十年ほど、結構真面目にベースギターを弾いていたので、弦楽器に対する違和感はなく、特にこのオベーションのギターは、ネックも細いし、弦高も低めなので、手の小さい日本人にとっては、フェンダーのベースに比べると、とても弾きやすい。まだまだ基本コードをおさらいしているところだけれど、そろそろ曲も弾いてみたくなってきた。ビートルズの「across the universe」にでも、チャレンジしてみようかと思っている。来年の夏はマーチンの旅行用のギターでも小屋に揚げてもらおうかな。ま、短期じゃギター弾いてる暇もないのだけれど。

 今日の写真は、高天ヶ原山荘の厨房の流し場の写真です。普通、山小屋では水源から、直径50mmくらいの黒いホースで水を引いてきている。そこそこの規模の小屋であれば、一旦タンクにためて、そこから各所に給水といった感じになるのだけれど、高天の場合は小屋の規模も小さいので、引いてきたホースから水を小屋裏の瓶にためて、そこから、洗面所、デッキの飲み物を冷やす水槽、そして、この厨房と三本だけで水を供給しています。そう、厨房で水が使えるのは、ここだけ!多少規模は大きくなるが、黒部五郎小舎の厨房でも、蛇口は6か所もあるのにである。

 実はこの方式、一昨年まで長く小屋番を務められた、小池さんが発明したものらしい。写真のように瓶からホースで厨房へ水を引いてきて、ステンレス製の手作りの水槽に一旦ためて、水槽上部の空き缶利用の筒から常時水が流れるようになっている。この、水槽に水を貯めておくというのがみそで、たとえば急に大量のお湯を沸かすことにになったりしたときに柄杓でさくっと寸胴に汲むことができるし、洗物をするにも常に水が貯まっているというのは非常に便利なのである。これは、水が豊富な場所だからこそできる方式で、やはり以前、小池さんが小屋番をしていた薬師沢小屋も同じ方式になっている、あそこも水には困らない場所に立っている小屋である。

 最初は面食らったが、この流しに、浸け置き用、すすぎ用、湯せん用と三つのタライに湯をはっておき、向かい合わせで2人の流れ作業で食器類を洗うのだけれど、こんな小さなスペースと蛇口一個で、100人分近い洗物を処理できてしまうのであるから、実は、なかなか効率的なシステムなのである。

2012年11月22日木曜日

震災と山小屋

 昔、10年近く前だろうか、新潟で大きな地震があった時に、その付近の山に登っていたことがあって、その時は山頂近くで一人でテントを張っていたのだけれど、ジョジョじゃないけど、「ゴゴゴゴゴゴゴ!」っと大地が揺らぐのを感じたことがある。その時以来は山にいる時に地震ってあまり感じたことも、気にしたこともなかった。

 でも、今年。高天ヶ原山荘に行ってみると、食堂の壁に何やら展示物があった。昨年の大震災の後、ここの小屋番の高橋さんが、ボランティアで何度も陸前高田へ通っていたそうで、その時の受け皿になっていたNPO団体の活動内容等を展示していたのである。そして、受付をしながら、ミサンガを編み、その売上げを、募金として募っていた。写真に写っているのは、被害の大きかった陸前高田の隣町の方々で、朝食の後に、「この山小屋ではこんな活動もやってくださっているんですね」と、声をかけられた。せっかくなので、裏でごみ燃やしをしていた高橋さんを呼びに行って、当時の模様を説明してもらっているところ。みなさん感心して地元に帰っていかれました。そのほかにも今年は、こんな北アルプスの最奥地にいながら、全国のいろいろな場所と繋がりを感じることが多かったのが印象に残っている。

 そうそう、話はかわるけど、12月はじめには双六グループの小屋関係者の忘年会があるので、参加して来る予定です。実は、昨年も誘っていただきながら仕事の都合で出られなかったので、今年は予定をばっちりあけて待っていたのである(笑)。場所はなんと、丹沢、塔の岳の尊仏山荘。もう何年も行ってなかったなあ、丹沢は。毎年平日に、貸切状態で大宴会をするんだって。

 でも、しばらく山歩いてないんで、バカ尾根きついだろうなあ。丹沢だし、軽装&トレランシューズで行くかな。帰りは鶴巻温泉でリハビリ(笑)

2012年11月6日火曜日

幻の源流水

 お久しぶりです、はる@です。いろいろと締切に追われて、一か月もご無沙汰してしまいました。そんな忙しい中、自転車と水泳に加えて、週末にランニングもトレーニングに加えて、意味もなく体ばかり鍛えてたりします。トライアスロンでもはじめそうな勢い。でも、いつまでも山を楽しみたいので、鍛えとかないとね。

 しかし、いつの間にか11月に・・・今年もあと二か月となってしまいましたが、もうすこしお付き合いください。月中旬になれば、近場の奥多摩でも紅葉が楽しめるようになります。アルプスのような雄大さは望めないですが、森が豊かですし、帰りに温泉にも入れて東京なのに結構、自然を堪能できるんですよ。奥多摩には毎年、紅葉の季節と、雪が降った直後、新緑の頃、かたくりの花の咲く五月と、年に4-5回は足を運びます。土日には、新宿駅から奥多摩行の特別列車がでていて、地元の中野駅にも停まってくれるので乗り換えもなしに奥多摩駅まで運んでくれるので楽ちんです。

 今日の写真は、高天ヶ原のとある場所にある通称「幻の池」。高天ヶ原で池というと、竜晶池が有名で、道も整備されていますが、こちらは、とある方面への登山道から、道をはずれて森に入っていくと、岩から湧水が湧いている場所があって、ここからの細い流れをたどっていくと、だんだんと立派な渓に、そしてその先にこの大岩魚の棲む、幻の池が現れます。ちょっと神秘的でいいところでしょう? ここら辺はほんとに森が綺麗なところで、ふらふらと歩いているだけでも心が癒されます。しかし高天ヶ原は水に恵まれた場所です。昨年は雨がすくなく、お隣の雲の平では水不足で、アルバイトが毎日テント場の水源までポリタンクを担いで何往復も水を汲みに行っていたとか。

 そんなときに高天ではこの湧水を25リットルタンクに汲みに行き、お客さんに自由に飲んでいただけるように、玄関ロビーにコップも一緒に設置。これがまた、大人気でした。来年もまたやるかどうかはわからないけど、もし高天ヶ原に来られることがあったらぜひ、この「幻の池」の源泉、飲んでみてくださいね。

 でも、これまでお世話になった小屋で水が一番美味しいのはやはり、南アルプスの鳳凰小屋かな。あそこら辺は、花崗岩質の山で、それがいいのか、甲斐駒ケ岳の麓には、サントリーの白洲蒸留所もあったりと、もともと水がおいしいところなんですよね。

 そういえば、夏に山小屋で働き始めて、来年でちょうど十年目になります。来年はどこで過ごそうか・・・うーむ、でも、やっぱ、温泉は魅力的だ(笑)。