2012年3月23日金曜日

今年は高天原山荘に行きます


 

 随分とご無沙汰してしまいました、はる@です。なんとか年度末も乗り切り、こちらもぼちぼちと再開していこうかと思います。さすがにこのところ、寒さもゆるんできて、来週くらいは桜も咲きそうですね。僕が住んでいる東京中野区はJR中野駅から、哲学堂公園までの歩いて30分くらいの区間にずっと桜並木が続いていて、花見シーズンはかなり賑わいます。普段自転車のトレーニングがてら走っている荒川にも桜の名所がありますし、散歩がてら毎日走っている善福寺川や神田川沿いも桜の並木が綺麗です。山だと、五日市から奥多摩に抜ける浅間尾根の山桜が有名ですね。

 山小屋アルバイトのほうも、2月からだいぶ募集が増えてきているようで、最近はどこも結構な人気(特にバイト代がよかったり、快適で常連さんが多い所とか)のようなので、予定されている方は早めに行動されたほうがいいかとおもいます。当方は今年はGWは後半に仕事の予定が入ってしまっているので、ここ五年、毎年行っていた南アルプスの鳳凰小屋は、連休前半に遊びにいくだけになりそうで残念です。夏は、一昨年と同じく、北アルプスの高天原山荘に一ヶ月、短期で入ることになりました。ほんとはもうちょっと長くいたいんですけどね。ここ数年で自分的に居心地のいい場所ってのが固まってきて、どこかというと、黒部五郎小舎と高天原山荘です。どちらも甲乙つけがたくいいところなんですよね。

 なかなか初めての人は、どこの小屋にしようか決めかねるかとも思いますが、好きな山域があればそこ近辺の小屋に行くのが一番いいと思います。眺めがよく朝日、夕日の綺麗なところだと、稜線上の小屋、釣りがしたければ、黒部源流等、自分の興味にまかせて、選んでいけばいいかと思います。でも、最初はとやかく考えずに、勘にまかせて行ってみるのもありだと思います。今年の僕はとにかく、温泉と岩魚釣りがテーマです(笑)

 写真は、太郎平小屋の自炊室から見たゴミ焼却炉。ゴミ燃しは火傷の危険もあるので、どこの小屋でも男性の仕事なんですけど、小さい小屋だと小屋番さんがしてることが多いですね、生ゴミや湿った材木とかもうまく燃やさないといけないので、それなりにコツのいる仕事なんですよ。ぼ~~っと燃え上がる炎を見てると、いつまでも飽きなくて、いい気分転換にもなるので、結構、地味に好きな仕事だったりします。

2012年1月10日火曜日

新年明けましておめでとうございます



新年明けましておめでとうございます。山小屋便りのはる@です。今年もよろしくお願いいたします。今年は、昨日まで、長めに正月休みをとらせていただいて、本日から正常運転です。ちょっと仕事の環境がかわり、1-2月はバタバタしそうです。この時期は山の話題もないので、山小屋便りは、3月から本格的に再開させていただくとして、それまでは、過去のコンテンツをまとめて読みやすくしたり、ぼそぼそと日記的に書かせていただく予定です。

 今年の夏は、どこの山小屋に行くかまだ決めてないのですが、黒部のどこか・・っていうのは変わらないと思います。2012年は、それとは別に、あちこちの小屋を訪ねてみたり、設計者からみた山小屋考など、ちょっと今までとは違った視点のコラムも書いてみようかと思っています。あと、関係者のインタビューなんかもできればしてみたいし。

 山は3月の八ヶ岳が最初で、今年からは沢登りにウエイトを置いていくつもりです。一週間くらいの自転車旅行も計画中なので、山小屋とは関係ないけどそんなアウトドア関係の話も書いていこうかと。とりあえず、また一年間、よろしくお願いいたします。

 今日の写真は、三年前の黒部五郎での写真。明け方に一瞬だけ現れたダブル・レインボー。縁起がいいので、今年最初の写真に選んでみました。それでは、みなさんにとって、素敵な一年になりますように!

2011年12月29日木曜日

第18回 黒部五郎の思い出 その5




 写真は、黒部五郎の男性従業員部屋。昔の建物が一部残っていて、そこが冬期小屋になっているのだけれど、シーズン中はここが倉庫兼、従業員の寝床になる。ドアを開ければ、目の前に黒部五郎岳。天気の良い日に扉を開けて風を感じながら昼寝するのが最高に気持ちいい。そういえば、どの小屋にいっても、私の寝付きが異常に早いので関心される、というか、あきれられる。普段、東京では普通に寝付けなかったりするのだけれど、夏に山小屋で生活しているときは、布団に入ってから、眠りにつくまで、3分とかからない、多分1分くらいな感じなのである。食事も下界の三倍くらいは食べるようになるし、実に健康的な毎日である。


 バタバタとしているうちに、年の瀬となってしまいました。年明けにこのサイトのデザインもリニューアルされ、また2012年も一年間このコラムを担当することになりました。とりあえず今年の最終回ということで、ご挨拶だけ。よい年末年始をお迎えください。また、年明けにお会いしましょう。

2011年11月30日水曜日

第17回 黒部五郎の思い出 その4



■空中庭園

 薬師沢小屋のように、黒部川沿に建つ小屋や、縦走路の途中にぽつりと佇む小屋もあるが、たいていの山小屋は、山とセットになっていることが多い。山頂小屋はその際たるもので、朝・夕焼けの美しさ、連なる山々の眺望が魅力的である。山頂でなくとも、例えば、太郎平小屋は薬師岳の眺望が素晴らしいし、高天原山荘は目前に水晶岳がド迫力で鎮座している。

 一方、黒部五郎小舎からは、雲ノ平方面に視界は開けているものの、黒部五郎岳そのものの全容は見ることができないし、もともとこちらは側はカール側なので、山のボリュームとしては今ひとつ弱いのである。山容ということであれば、太郎平小屋から、あるいは薬師見平から眺めたほうが、山としての形がいいように思う。

 しかし、それにもかかわらず、この小屋で二回目の夏を過ごすことにしたのは、その圏谷(カール)の美しさ故である。涸沢や南アルプスの仙丈ケ岳のカールも見事だし、薬師岳のカールも天然記念物に指定されていてこれまた美しいのだが、個人的にはやはり、黒部五郎岳のカールが別格で、ナンバーワンである。

 小屋から、歩くこと20分。最後の急坂を登り切ると、視界がぽっかりと開ける。岩壁にぐるりと囲まれた、その平坦な空間には、草花が咲き乱れ、そこに、巨大な岩がまさに、ごーろごろとちらばめられている。そして、その真中には、夏でも、雪渓からの雪解け水が小川となって流れていて、この水は一年中枯れることがない。日本で、最高所にある清流であろう。

 なんとも、荘厳で、神聖な空間であり、まさに空中にポッカリと浮かんだ美しい彫刻庭園である。香川県の牟礼町にあるイサム・ノグチ庭園美術館は大好きな空間で、何度も訪れているけれど、やはり、所詮は人の思考と肉体で作られたものであり、この自然のスケール、造形美にはかなわないなーっと思う。

 とにかく、この空間でぼーっとしたい!というのが何度もここを訪れている理由である。以前はこのカールにテント場があったそうで、ここで、寝袋にくるまって、星を眺めながら眠れたら最高だろうなっと思う。しかし、考えることはみな一緖なのか、今でも違法テントの設営が後をたたない(苦笑)来年はぜひ、小屋〆後の紅葉の写真を撮りにいこうと計画している。

2011年10月10日月曜日

第16回 黒部五郎の思い出 その3



■黒部五郎小舎

 黒部五郎小舎は、双六小屋と太郎平小屋の長い尾根道の途中の谷間にぽつりとたたずんでいる。この間、昭文社の山と高原の地図のコースタイムで、約十時間である、縦走の重い荷物を背負って、尾根道とはいえアップダウンの激しいこの登山道に、登山者の安全のためにも、位置的になくてはならない小屋である。登山口からもやはり、十時間前後かかるので、体調を壊して、または、怪我をして歩けなくなり、富山県警の救助ヘリで、この小屋から搬送される方も当然のように毎年数人でてきます。無理なツアー登山で、ダウンしてしまう高齢の方もいらっしゃって、山くらい、のんびり歩こうよと言いたくなる。




■山小屋で出会った人達、その後

 今回、話しは黒部のことではないのだが・・・。これまでに、夏に山小屋でご一緒させていただいた方々はたくさんいるのだけれど、この秋は、そのうち二人を雑誌上で見た、あるいは見ることになる。

 「見た」という雑誌の一つは、すでに既刊の「フィールドライフ」というエイ出版が登山用品店などで、無料で配っているアウトドア系の季刊誌である。先日、高田馬場のカモシカスポーツに買い物に行った際に、ご自由にお持ちくださいと置かれていた。はじめて持ち帰ってパラパラとめくっていたところ、黒部源流部のフライフィッシングの紀行文が載っていた。へ~~誰か知っている人でもでているかなと、記事を見てみると、旅の主は二名。一人はアウトドア系のライターさんで、もう一人は・・・サングラスをかけた写真だったので、パッと見わからなかったのだけど、その松山氏なる人物の経歴をみて、ああ!っと思い出した。

 そう、3年前の夏、僕が太郎平小屋で、一夏、受付に座っていたときに、薬師沢小屋にシーズン初めからバイトで入っていた松山君であった。その夏、一日休暇で、薬師沢小屋に遊びに行った時に、雨の中、午後の釣りに付き合ってもらった、釣りキチである(笑)。もともと、大学のアメフト部のクオーターバックとして活躍しながら、研究室の博士課程で、文化人類学のフィールドワークを続けていたという、文武両道な人物なのだが、怪我で大好きなアメフトができなくなり、新たに、得た世界がフライフィッシングだったらしい、その夜は、熱い思いを一生懸命に語ってくれた。もう、フライを初めて15年位になっていた僕は、自分がフライを始めたばかりの頃、いや、それ以上の思いで、この釣りに夢中になっているなー、彼、と、その時に感じていた。

 そして、紀行文を読み進んでみると、現在はティムコという、釣具のメーカーに勤務しているらしい。僕も昔からフライのフックはティムコ(TIEMCO)製を使っている。しかし、ということは、彼は、フライフィッシングの世界で生きて行く決心をしたってことなんだな。ふむふむ、それも素晴らしい人生だしね また、黒部で彼と一緖に釣ることもあるだろう。

■山と渓谷デビュー

 で、「これから見る」のほうは誰かというと、毎年GWに小屋開けの手伝いに行く、南アルプスの鳳凰小屋。僕はGWだけしか行かないんだけど、この4年間、春から秋にかけて小屋番としてフルシーズン働いているのが、宇佐美君。初めて会ったのは彼がGWにも来るようになった、3年前だっけかな。神奈川出身で、高校では陸上選手として活躍。東京の写真専門学校をでて、スタジオで修行後、なぜか鳳凰小屋に迷いこんできた。しかし、この四年間で小屋の仕事をしながら、写真を撮りため、ついに、雑誌「山と渓谷」の11月号(10/15発売)で、写真家として、グラビアデビューするそうです、僕も書店で見れるのを楽しみにしている。僕自身、この連休も鳳凰行く予定が、ちと仕事でお流れになったので・・紅葉は終わってるっぽいけど、今週末にワインでも持って、お祝い兼ねて遊びに行ってくるかな。

 偶然、山の世界にふらふらっと、やって来た彼らも、そこで、何かを感じ、考え、やがては、それぞれの世界へ。しかし、旅立っていっても、彼らにとって、山小屋は第二の故郷になるのだろう。自然とは、山とは、なんという豊かさと、人の人生さえも変えてしまう魔力を持ちあわせているのかと思う。

 

2011年10月3日月曜日

第15回 黒部五郎の思い出 その2


 

一昨年に続き、今年も五郎では、コバイケイソウがよく咲いた。高天原もコバイケイソウは結構多いけど、五郎程群れをなしてこの花が咲く場所を他に知らない。毎年、7月末になると、あれ、今年も咲いてきたな、と思っていて、でも、小屋の仕事でバタバタしているうちに、気がつくと満開っていうパターン。「うわ!いつの間に!」っていう感じで小屋の周り一面が、お花畑になる。

 でも、この花が咲くと、花の大きさや形もあってか、僕には湿地帯一面に、無数の十字架が突如、出現したような錯覚を覚えてしまう。今年は、東北の地震のこともあり、被災地で亡くなられた方たちが、旅立ちの前に、今しばらく、この楽園のような土地で、この世を楽しんでいるような、不謹慎だと思いつつも、そんなことを思ってしまった。

 カールの右壁の群生も見事です。そちらは、8月初めくらいが見頃かな。

2011年9月30日金曜日

第14回 黒部五郎の思い出 その1



こんにちは、お久しぶりです、はる@です。怪我していた左足の踵もやっと完治しまして、来週末は紅葉の鳳凰小屋~甲斐駒ケ岳/仙丈ヶ岳を縦走してきます。ご報告は月末くらいになりますが、それまで、今年の夏の黒部五郎小舎での写真でもぼちぼちアップしてみようと思っています。

 今日の写真は、黒部五郎小舎の厨房。ちょっと暗い(写真はだいぶ明るく修正してあります)のですけど、広くて使いやすい厨房です。今年はどんよりしたお天気が多く、昼間でもヘッドランプを灯しながら作業してたりしてました。ところ狭しと鍋やらバットやら・・・ここの小屋は今まで働いた中でも特に手作りの料理にこだわっているいるので、ごぼうの天ぷらのささがきをするにも、数時間かかったり、煮物も夕食用、朝食用、お弁当用にそれぞれ数種類あったりと、厨房の前室にはそれらの鍋がところ狭しと並べられています。

 なにせ、厨房で過ごす時間が山小屋では一番長いので、まあ、くだらない話題で盛り上がりつつ、ここで、一日の大半を過ごします。なかなか小屋の厨房の中って、一般の人は見る機会がないとおもいますが、こんな感じです(笑)

 カメラはニコンのD700で、レンズは16-35mm VRと60mm Macroを使っています。