2012年9月23日日曜日

岩苔小谷のイワナ

 高天ヶ原から戻ってからも、東京は、毎日厳しい残暑が続いていましたけれど、今日は最高気温も25度以下で、朝からしとしとと雨が降っています。やっと秋らしい気候になって、しばらくはエアコンも必要なくなりそうです。シルバーウイークは台風と秋雨前線にはばまれて、結局、高天ヶ原へお手伝いに行く機会を逃してしまいました。意外と、九月のお天気って難しいんだよなあ、台風やら前線やらで。せめて、鳳凰小屋の紅葉にだけは行かないとなあ。だいぶご無沙汰しているし。

 今日の写真は黒部は岩苔小谷の岩魚。なかなかの面構えの顔黒尺ものです。薬師沢小屋近辺で釣ることもあるけど、僕はどちらかというと、もっとこじんまりした渓が好きなので、本流でも、五郎沢より上流か、小谷くらいの川幅のところで釣るのが好きです。一日二匹釣ったら釣り終了と決めているので、この日も釣り開始から、10分で終了(笑)、往復するほうがはるかに時間かかってます、はい。岩苔小谷というか、高天ヶ原は、釣りができるのをしらない人も多く、釣り人は全くと言っていいほど見かけませんが、実は岩魚の宝庫です。でも、誰にも教えたくないです。正直、もしこんな処まで一般の釣り人が押し寄せてきたらとおもうと、ゾッとしますので・・・

 釣っていた場所の少し下流には大きな滝があり、本来なら岩魚は登ってこられないのですが「黒部の岩魚を愛する会」の方々がわざわざ本流で釣った岩魚を担ぎ上げて、放流してくれた魚達が今こうして繁殖しているわけです。標高2,100メートルですから、恐らくは日本最高所に棲む岩魚ということになるでしょうか。貴重な魚たちなのです。

 僕は登山歴よりの釣り歴のほうがはるかに長く、以前は、車にロッドを何本も積んで、専用のウエーダーにネットだのなんだの、ガチャガチャとつけたベストを着て、東北をうろうろしていました。ついでに、アメリカやスペインまで釣り歩いていましたが、今ではすっかりここ黒部でひと夏、ちょっと釣るだけで満足してしまいます。装備もパックロッドと、小さなポーチだけです。歳をとって、おれも淡泊になったのかなあ、とも思いますが。それだけ、この黒部の渓流が自分にとってかけがえもなく大切なものなのかもしれません。

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